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2020年の大晦日の始まりと終わり [お蕎麦のある風景]

大きくて綺麗な月が向かいの島の山に沈み、2020年最後の一日が始まった。
寒波襲来。朝は冷え込み、空気が澄んでいたように思う。

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旅館は例年になく閑散としていますが、旅館謹製のおせち料理は例年以上に売れたようで担当された方々はお疲れのご様子。
私は夕方から一組だけのお客さんのために給仕。

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仕事を終えてガヤガヤした厨房から一足先にお部屋に戻り、歌合戦を見ながらまかないの年越し肉そばを厳かにすする。
おかずには、応援で来られていたイタリアンのシェフが作ったイノシシのワイン煮、お米とチーズとポルチーニ茸を団子にして揚げたもの。
馴染みのない味だが美味しくいただく。

食後お風呂に入り、元日も朝からお仕事なのですぐお布団へ。
赤が勝ったのか?白が勝ったのか?「ゆく年くる年」までもたなかった。

今年は疫病が蔓延し今も大変な状況ですが、個人的にはとても充実した楽しい一年でした。
タグ:生口島 そば
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あおきさん、城崎温泉で最高にクールな蕎麦屋に出会う [お蕎麦のある風景]

テレビ番組で見切れていたお店、ずっと頭の片隅にあって数年の時を経て来店の機会が訪れました。

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店構えをちらっと見ていただけなので入って驚きました。
民芸好きにはたまらないお店。
日本のトラディショナルなしつらえなので外国人観光客も多かったのですが、きっと外国人受け狙ったものじゃない。

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ずっと唸ってました。自分がこうしたいと思うものが詰まっています。
こういうお店に出会えたことは幸運でした。

タグ:そば 兵庫 民芸
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あおきさん、奈良滞在中も蕎麦屋を探訪する [お蕎麦のある風景]

奈良は「蕎麦 玄」に行ったのでなぜかもう満足してしまっていたが、なんのなんのまだまだいいお店がたくさん。

「そば切り 百夜月(ももよづき)」
外観がテントっぽくておもしろい。店内は広々とした和モダンなしつらえ、客席から厨房が見えて広くて作業しやすそうです。
この業界では若手のほうの店主さんだと思いますが、しっかり修業されたようなきちんとしたお蕎麦。器もおもしろい。
百夜月ってどんな月?季語かな?と思って調べてみれば、熊野の方の地名のようです。綺麗な響きですが、どんなところなのでしょう。そんな店名もいいですね。

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「そば処 喜多原」
東大寺のすぐそばで観光客も多かったが、地元の人の姿もちらほら。自分は知らなかったがきっと知られたお店なんだと思う。安心できるお蕎麦だ。
11時から16時の営業とあったが、確かにこの辺りの陽が落ちてからの静けさは想像に難くない。立地に応じた営業の仕方があるのだ。

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「霧下そば 生粉そば かえる庵」
年配のご夫婦らしき二人がやっておられた。三条通りに近いここなら夜営業で飲み客にも応えられるのだろうか、日本酒のお品書きが充実していたように思う。
それと、恥ずかしながら「霧下そば」というくくりは知らなかったが、またひとつ勉強になりました。

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「二代目 出雲そば だんだん」
ちらっと厨房を見ると蕎麦を湯がく女性の姿が、二代目だろうか。
慣れた感じのお客さんが次々と来店。JR奈良にも近いが住宅地でもあるので地元の支持も大きいのかも。
出雲そば、もう一段くらい多めに注文すればよかったと後悔。

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「そば切り 川名」
近鉄新大宮駅を越えてハローワークに行く途中にあり、いつ行こうか通る度に考えていた。
お店の雰囲気が客層を決めるのか、きちっとネクタイをした管理職っぽい年代の方が数人いた。となると、夜は日本酒と肴で一杯、締めでお蕎麦という落ち着いたスタイルのお店だろうか。

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「そば処 觀(かん)」
客の来店とともに釜の湯を再沸騰させ、ぱらっとお蕎麦を投入し2分15秒湯がいて冷水でしめ……と、ついつい店主の動きを目で追ってしまう。
ここはいかにもお酒ありきなお品書きと店内の雰囲気。ちょうどごま豆腐らしきものの仕込みもやっておられたので、夜がメインのお店なのかな。
器をずらりと並べたしつらえもおもしろい。

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「そば処 吟松(ぎんしょう)」
今いるマンションから徒歩60分、歩けば思った以上にかかるなーと、高畑町。目の前には春日山原始林が広がり、南には新薬師寺があります。
日曜とはいえ開店と同時に全席が埋まるというのは、決して人の往来が多いとはいえないこの場所ですごいことではないかと。

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蕎麦湯を注いだそばつゆを飲みながらゆっくり店内を見渡せば、商売とはこういうものですよ、とお手本を示されているような卒のないお店。

いいお店は、親子三代ご家族で来店するお客も多いという印象。使い勝手がいいのでしょう、ぱっと食事もできるし、一方で会話が弾む居心地の良さもある。
もちろん、私のような一人客でも気持ちよく食事ができ、お店を出る時には「ごちそうさん!」と一言、爽やかな満足感に包まれる。

こういう誰か一人の小さな幸せも供与できるお店づくりってのはつくづくいいなーと思う。

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きっとまだまだ奈良にはいいお店があるはず。
図らずもの奈良長期滞在ですが、せっかくのこの機会、もう少しこの地の蕎麦世界を探検してみようかと思います。

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あおきさん、お蕎麦修行を終える [お蕎麦のある風景]

2ヵ月以上前に退職を申し出て後任の人も決まり、10月31日(木)の出勤をもってこのお店での1年2ヵ月の勤務を終えた。そして、まかないで一息、店内を感慨深く眺める。

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ここのお蕎麦は機械打ちなので、そば打ちの技能が身についた訳ではないけれど、天ぷらについては、上達したかどうかは別として基本的なことは少し理解できたように思う。
また、いろいろな食材の仕込みもやったし出汁もとったので、そのへんの知識も得たかと。
あと何よりも、修羅場のようなお店の忙しさを経験したことで、厨房での段取りや動き、ひいてはお店を回すことへの自信(というほどの事でもないが)、少しばかり度胸みたいものも備わったような気がします。

そんなこんなのアルバイトも、やはり職場に恵まれたというか、ここでも人に助けられた。
まったく畑違いの仕事の経験しかないこんな五十前の不器用なおじさんを、皆さん温かい目で見守り指導してくださった。

正直、皆さんの考えるレベルに到達できなくて自尊心が傷つくことも多々ありましたが、そういうことも含めて自分の経験値も少し上がったのではないかと思うのでやはり感謝の気持ちでいっぱいです。

振り返れば“しんどかったなぁー”という実感(実際10kg以上減った体重も戻らないまま)ですが、もうこのユニフォームに袖を通すこともないのかと思うと、やはりさびしいものです。
そして同時に、この1年2ヵ月いっさい手抜きすることなく私自身の全力100パーセントの力で仕事をしてきたので、どこか“やりきった感”みたいなものもあって清々しい気分でもあります。

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最後の勤務を終えた帰り際、皆さんに労いのお言葉やこれからの旅の成功や安全を願うお言葉をいただき、いつか再会を約す言葉も交わしてお別れをしました。
これから、どこで何をどうするのかまったく何一つ決まっておりませんが、未経験でいきなり何かをするよりも多少ソフトランディングに物事が進む気もするので、いつか皆さんには「ここでの経験が活きた」と笑顔で報告できればいいなと思っております。


帰り道、いつもは前を通り過ぎるだけの銭湯にこの日は入ってみた。
昼の三時半の銭湯ってのもどこか贅沢な感じ。
労働の汗を洗い流し、湯船でお店での日々を思い返す。
ほっとしながら「やっぱり、ありがとう!やな・・・」とつぶやき風呂上りのラムネをちびちびと飲む。
大変すばらしい蕎麦修行ライフでありました、感謝感謝。

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タグ:そば
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あおきさん、大阪を離れる前に地域の蕎麦屋をまわる [お蕎麦のある風景]

わたくし50歳という人生の節目に、どこかで小さなお店を持ちたいなー、誰もが気軽に入れる定食屋か蕎麦屋がしたいなーと、心の片隅でそんなことを夢見て日々過ごしておりましたが、今年の7月末に意を決してまずは自宅の処分を不動産屋さんに相談。

「ま、年内に数件の問い合わせがあり、来年の春くらいまで具体的に検討する人が出てくれば・・・」というお話をして、その間にどこか古都と呼ばれる風情のある町か、あるいは少しばかり自然の豊かな町、できれば気候の温暖なところに良い物件が見つかればとおよその計画を立てておりました。

ところが、8月入ってすぐに前向きに検討する人が数組現れて、8月の末にはその中の一組と契約に至るという電光石火な展開に。

次に住まわれるご家族は、お子さんが来年小学校にあがるので校区の問題もあり、11月下旬くらいまでの引渡しをご希望。
12月末ではお互いに気忙しいし、8月に決まって年が明けてから引き渡すのではお待たせしすぎだと思い、承諾した。
と、これが夏までのお話。

さてと、これからが大変。
9月10月11月で、今の本業を畳み(バイトの方も辞めさせてもらい)、家を片付け、次の移住先を決め、物件を探し、11月20日までに引越しを完了させて家を空っぽにして引き渡すという鬼のようなスケジュール。
本業は自分で調整できるが(実際、数件の仕事の依頼を断ったことは大変心苦しかった)、バイトの方は急に辞められても困るだろうと思い10月末までとしたので、準備の時間があまり取れない。

なかなかの忙しさ、正直、いろいろな面できつい。でも一方で焦りながらも、この状況を楽しんでいる!?来月には住所不定無職になろうかというのに、このへんが私ののん気さというか、“痛い”一面だろうか。
とにもかくにも、えらいこっちゃ!の事態なのである。


しかし、そんな時でもお腹は減る。
勉強も兼ねてというよりかは、地域での暮らしを惜しむかのようにお蕎麦屋さん行脚。

こちらのお店は10席ほどのカウンター席で、大将が調理し奥様らしき人が接客している二人体制。
一人で蕎麦を湯がき、天ぷら揚げて定食・丼物にも対応し、その上篭めしまである。
一人で大したものだ。10席が限界なんだとは思うが、商売に手馴れている感じする。
メニューを見てもお客さんの要望に応えるかのようなお客さん本位のラインナップと価格。
天ぷらは衣がたっぷりでもカラッと揚がっていたし、蕎麦もおいしかった。それに安い(天ざる1,200円)。いろいろとすごいお店だと思う。

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次は昭和町にある、おそらく10年くらいは営業しているお店。
お蕎麦がおもしろい。お蕎麦が細くてなぜだか短く切れている。お味はよかった。
先のお店と違い、商売に徹してるかといえばやや弱いところもあるかもしれないが、店主の方のお人柄がとても良く、きっといろんな人との繋がりが出来ていて商売されているんだと思います。実際、食べている間も数人の馴染み客が食事をしていった。また立ち寄りたくなるいいお店なんだと思う。
あと憶測ですが、2階の窓にお布団が干してあったので、もし自宅の1階で商売されているのなら少し経費の負担も小さいのではないか。あとお一人で店を回しておられるようだし。

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次は店名もお店の外観も伏せておこう。
なんとなく店主さんのこだわりが強すぎる感じがする。
私の中で“こだわり”というのは世間的に使われているようないいものではなく、意味のないものに固執しているさま。
しばらく店主さんに、お蕎麦のことやお店の運営のお話を聞かせていただいたが、独善的で物事に対してもどこか否定的な捉え方をされる方で、やはりその経営は推して知るべし。昼食時でしたがお客さんは終始私一人でした。
先の2店は見習いたいところがたくさんあったが、ここはどちらの店とも真逆な感じであまりいい印象を持てなかった。人のことを言えた義理ではないが、反面教師にしようと思った。

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そして最後は、15年前帝塚山に引越して来て最初の頃に行ったきりだった自宅近くのお店、某有名タレントさんのお身内がやっておられる麺処です。
もう代替わりをされてますが、今も地元の人に愛されていることがお客の入りからもわかります。
ま、ここはお蕎麦ではなく、うどんがメインでしょうか。

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以上、繁盛云々はともかく、皆さん思うところがあってお店を開き今も日々頑張っておられます。私もその道を歩めるのかどうかはまだわかりませんが、少しずつ歩を進めて行ければいいなと思っております。

タグ:そば 天ぷら
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