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知人が入院する病院にて [写真と俳句と]

病床に 転がるティッシュ 冬隣
初冬や 病室の壁 まんじりと

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[2016年11月23日(水)16時頃 とある病院にて撮影]
「冬隣」 秋の季語  「初冬」 冬の季語



「病院のご飯美味しない、醤油買うてきてぇ」
「パリパリの海苔のおにぎり買うてきてぇ」
「バヤリース買うてきてぇ、炭酸も飲みたい、ラーメンも食べたい……」

次々そんな頼み事ばかりをおっしゃる。

病院で勝手にそんなもの買ってこられないと告げると、ぷいっと顔を横に背けて「夢も希望もないわ」とご立腹の様子。

寝たきりで、日がな一日、音のないテレビをぼぉーと見たり、白い天井を眺めるだけの生活。
楽しみの食事も、小さく柔らかい薄味のものに、とろみのついた飲み物ばかりとなれば不満も募るのだろう。

いっその事、好きな物を食べて誤嚥性の肺炎かなんかで引導を渡される方が本人も幸せなんじゃないかと思うこともあるが、こちらとて“未必の故意”などと騒がれても困る。気の毒だがなかなか希望はかなえてあげられない。

帰り際、看護師さんの「ノンシュガーののど飴ならいいですよ」という助け舟がある。

齢90でも糖分や塩分を気にしないといけないのがなんだか可笑しかったが、それで少し機嫌を直してもらおうと思う。

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