SSブログ

お付き合いのあったご年配の方が急逝されて [写真と俳句と]

輪飾(わかざり)や 戸口の奥の 薄明かり

010501haiku1.jpg
[知人から届いた2019年の年賀状]
「輪飾(わかざり)」「注連縄(しめなわ)」 新年の季語



今年いただいた年賀状に、確かこのように返句したかと。
お正月、その方はお家の玄関扉に輪飾りを吊っておられ、扉の不透明ガラスには奥の部屋の灯りが見えていたので、その揺らぎで元気に新年を迎えておられると想像しての一句。
あと、少しばかりお仕事上の付き合いもあり、気に掛けていますよ、というメッセージのつもりも。

その方が5月1日、自宅で亡くなっているのをヘルパーさんが発見した。
どうやらお食事の最中だったようで、食べかけのお弁当がテーブルに。
推定される死亡日はその3日ほど前なので、残念ながら新時代を迎えることなく、持病のあった心臓も瞬間的には苦しかったと思いますが、あの人らしくパッと旅立たれた。

故人はさばさばした性格で、少し達観したような死生観をお持ちの方だったので、死後の準備は万端、辞世の句まですでに作っておられた。

後日、甥の方にお悔やみを申し上げたい際、形見分けを勧められたので、あまり固辞するのも悪いと思い、目の前の本棚から咄嗟に書籍を2冊ばかり抜いた(和田竜「村上海賊の娘」上・下巻)。

読みます。
読んで本棚の背表紙を見るたびに、在りし日の故人を思い返したいと思います。
あっちでは大好きな珈琲をゆっくりとお楽しみくださいね。さようなら。

タグ:新年の句
nice!(9)  コメント(2) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 9

コメント 2

あとりえSAKANA

親戚でも友人でも知人でも芸能人でも、
この世を去られると、虚無感と言うか
淋しい気持ちになりますね。
気持ちが収まって写真や思い出の中で
懐かしく心穏やかに会える関係になるの
には少し時間が必要で。
村上海賊の娘、母曰く「面白かった」と。
布団の中が読書タイムな私はなかなか
読めません(笑)
by あとりえSAKANA (2019-05-11 12:41) 

あおき

SAKANAさん、どうも。
お仕事柄まあまあ人の死に接することが多くて、お仕事上と割り切れれば良いのですが、けっこう引っ張られる性格ですかね。しんどい時があります。
そうですか、村上海賊おもしろいですか。
読み始めたのですが、段落に印が付けていたり、人物を整理していたのでしょうか、アンダーラインを引いている箇所とかけっこうあります(笑)。
by あおき (2019-05-12 17:07) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。