五島列島に行けなかった旅 [旅のおもひで]
長崎の五島列島に行ってみたい……
そう思い、1月の半ば、博多港から夜行便の船で五島列島福江島に渡るべく、博多へ。
お昼頃から博多の街をうろつき、博多といえばの「もつ鍋」を食べる。
うまい!うますぎると締めの麺まで食べて滴る汗をぬぐっていたら、携帯電話に「しけの為、今夜のフェリーは欠航します」というメールが飛んできた。
……どうしよ?とりあえず散髪屋さんで髪を切ってもらいながら考えることに。
玄界灘がダメなら明日の朝に五島灘を渡ろうと、急遽列車で長崎まで行き、中華街で長崎といえばの「皿うどん」を食べる。
しばらくして、またメールが……「悪天候の為、明日のジェットフォイルと高速船は欠航します」
だめだ……折しも全国的に強い寒波襲来とのこと。
外海はよく荒れるし欠航も多いだろうに、約4年の穏やかな瀬戸内暮らしのせいか欠航のことは頭から抜け落ちていた。
手配したもの全てキャンセルして、さてと、どうしよ?どこ行こ?
ホテルのベッドの上で胡坐をかいて、駅でもらった観光パンフレットとにらめっこすること1時間、寒いので温泉にしようかと。
島原半島の「雲仙温泉」と博多の奥座敷「二日市温泉」に行きます。
稲佐山くらいは行っておこうと思っていましたが、まあまあな雪……
登っても何も見えないだろうと、大浦天主堂とトルコライスだけ食べて島原半島へ。
電車とバスで2時間半、雲仙温泉に到着。寒い、スキーに来たみたいだ。
少し散歩したけど、やっぱり寒い。すぐさま温泉へ。
夕食は島原の郷土料理、具雑煮で温まる。
食事中、近くの温泉神社で新手の神楽でもやっているのか、調子のいいお囃子が聞こえてきます。
見たいが、風雪が強いので止めておこう……
それよりもう一度温泉へ。すっかり雪見風呂です。
明けて、朝風呂もいただき、朝食。雪景色もごちそう。
一晩でよく降った、すっかり雪山。
モウモウと蒸気の立ちのぼる地獄も幻想的だ。
路線バスで下山。
途中、あの雲仙普賢岳の火砕流があった付近を通過、バスのアナウンスが教えてくれた。
雪をかぶっている山は、溶岩ドームでできた平成新山らしい。
バスを降り、島原鉄道に乗車。
海に一番近いと言われている、駅。確かにドラマがありそう。
パンチ穴を開ける切符も今では珍しい。
のんびり有明海、諫早湾を見ながら列車旅。
乗り換えて、九州新幹線と特急でビューン!とこれも列車旅。
大宰府天満宮にほど近い二日市温泉に到着。
宿泊は「大丸別荘」を選びました。ずっと頭の隅にあった御宿です。
温泉街の端にひと際大きな敷地と威容を誇る建物。
ロビー、ラウンジも美術館のような趣。
並んでいる木彫は先々代の旦那さんの作品だとか、素晴らしい。
仲居さんの後に付いてお部屋へ。
階段と踊り場もどことなく威厳があるように見える。
玄関からは長い廊下、足元は籐かな?床が気持ちいい。
廊下の奥は広縁、テーブルに椅子4脚のリビング。
お部屋は8帖と10帖の二間、一人には贅沢な広さ。
3,500坪あるという池泉回遊式の御庭も散策。
やんごとなき方達が宿泊された離れも佇まいが絵になっています。
お風呂のある棟です。
2階建てで上が女湯、下が男湯、入口には番台のようなところがあってお風呂係が待機、使用済みタオルを回収したりと常に浴場の様子に気を配られています。
中の様子は案内の冊子にあった画像を拝借。
浴室内は一寸先が見えないほどの湯気でぼんやりと灯りが見えるくらいのいい雰囲気。
岩風呂、湯船の淵の部分は広めで浅い腰掛けになっており寝そべりやすく、中央部分は水深90センチと深めで底にはゴロゴロとした拳大の丸石が沈めてあるという趣向。
透きとおった綺麗な泉質で湯加減もちょうどいい。
お風呂から戻れば、仲居さんが私の部屋の扉をノックされている、どもども。
夕食は部屋食。
先付けと前菜から趣向が凝らされています。
少量ですが、ウニ、イクラ、アサリ、数の子、紅ずわいの爪フライとカニみそ、子持ちアユの昆布巻きにカラスミと多彩。
器も梅に蛤に瓜に扇と、華やか。貫禄あるなぁーお盆の隅にある丸に大の字。
刺身はアコウがあり、椀物はフグのしんじょ、鍋物は博多地鶏の入った飛鳥風鍋、焼き魚はサワラ、最後は鰻が一切れ乗ったご飯。
お料理はなんとなく「薄味で上品な……」というようなものを想像していたけど、お味がしっかりとしていて奥行きが感じられる一段上の味付けというか、とにかく満たされた気持ちで、仲居さんが布団を敷いてくれる様子を見ながら食事の余韻に浸りました。
翌朝、起きてすぐにお風呂。朝食も部屋に運んでくださった。
チェックアウトまでまだ時間がある……もう一度お風呂へ、4度目だ。
湯上りにあらためて食後のコーヒーをいただく。
とても残念なことがあった宿ですが、これだけの御宿ですから存続を望むお客さんも多いと思う。
それに接客されていて思ったが、従業員の方々にも愛されている旅館なのだろう。
また来たい、後世に残ってもらいたい、そんなことを思いながら宿を発ちました。
以上、五島列島には行きそびれたけど、思わぬ拾い物をしたような九州の旅でした。
そう思い、1月の半ば、博多港から夜行便の船で五島列島福江島に渡るべく、博多へ。
お昼頃から博多の街をうろつき、博多といえばの「もつ鍋」を食べる。
うまい!うますぎると締めの麺まで食べて滴る汗をぬぐっていたら、携帯電話に「しけの為、今夜のフェリーは欠航します」というメールが飛んできた。
……どうしよ?とりあえず散髪屋さんで髪を切ってもらいながら考えることに。
玄界灘がダメなら明日の朝に五島灘を渡ろうと、急遽列車で長崎まで行き、中華街で長崎といえばの「皿うどん」を食べる。
しばらくして、またメールが……「悪天候の為、明日のジェットフォイルと高速船は欠航します」
だめだ……折しも全国的に強い寒波襲来とのこと。
外海はよく荒れるし欠航も多いだろうに、約4年の穏やかな瀬戸内暮らしのせいか欠航のことは頭から抜け落ちていた。
手配したもの全てキャンセルして、さてと、どうしよ?どこ行こ?
ホテルのベッドの上で胡坐をかいて、駅でもらった観光パンフレットとにらめっこすること1時間、寒いので温泉にしようかと。
島原半島の「雲仙温泉」と博多の奥座敷「二日市温泉」に行きます。
稲佐山くらいは行っておこうと思っていましたが、まあまあな雪……
登っても何も見えないだろうと、大浦天主堂とトルコライスだけ食べて島原半島へ。
電車とバスで2時間半、雲仙温泉に到着。寒い、スキーに来たみたいだ。
少し散歩したけど、やっぱり寒い。すぐさま温泉へ。
夕食は島原の郷土料理、具雑煮で温まる。
食事中、近くの温泉神社で新手の神楽でもやっているのか、調子のいいお囃子が聞こえてきます。
見たいが、風雪が強いので止めておこう……
それよりもう一度温泉へ。すっかり雪見風呂です。
明けて、朝風呂もいただき、朝食。雪景色もごちそう。
一晩でよく降った、すっかり雪山。
モウモウと蒸気の立ちのぼる地獄も幻想的だ。
路線バスで下山。
途中、あの雲仙普賢岳の火砕流があった付近を通過、バスのアナウンスが教えてくれた。
雪をかぶっている山は、溶岩ドームでできた平成新山らしい。
バスを降り、島原鉄道に乗車。
海に一番近いと言われている、駅。確かにドラマがありそう。
パンチ穴を開ける切符も今では珍しい。
のんびり有明海、諫早湾を見ながら列車旅。
乗り換えて、九州新幹線と特急でビューン!とこれも列車旅。
大宰府天満宮にほど近い二日市温泉に到着。
宿泊は「大丸別荘」を選びました。ずっと頭の隅にあった御宿です。
温泉街の端にひと際大きな敷地と威容を誇る建物。
ロビー、ラウンジも美術館のような趣。
並んでいる木彫は先々代の旦那さんの作品だとか、素晴らしい。
仲居さんの後に付いてお部屋へ。
階段と踊り場もどことなく威厳があるように見える。
玄関からは長い廊下、足元は籐かな?床が気持ちいい。
廊下の奥は広縁、テーブルに椅子4脚のリビング。
お部屋は8帖と10帖の二間、一人には贅沢な広さ。
3,500坪あるという池泉回遊式の御庭も散策。
やんごとなき方達が宿泊された離れも佇まいが絵になっています。
お風呂のある棟です。
2階建てで上が女湯、下が男湯、入口には番台のようなところがあってお風呂係が待機、使用済みタオルを回収したりと常に浴場の様子に気を配られています。
中の様子は案内の冊子にあった画像を拝借。
浴室内は一寸先が見えないほどの湯気でぼんやりと灯りが見えるくらいのいい雰囲気。
岩風呂、湯船の淵の部分は広めで浅い腰掛けになっており寝そべりやすく、中央部分は水深90センチと深めで底にはゴロゴロとした拳大の丸石が沈めてあるという趣向。
透きとおった綺麗な泉質で湯加減もちょうどいい。
お風呂から戻れば、仲居さんが私の部屋の扉をノックされている、どもども。
夕食は部屋食。
先付けと前菜から趣向が凝らされています。
少量ですが、ウニ、イクラ、アサリ、数の子、紅ずわいの爪フライとカニみそ、子持ちアユの昆布巻きにカラスミと多彩。
器も梅に蛤に瓜に扇と、華やか。貫禄あるなぁーお盆の隅にある丸に大の字。
刺身はアコウがあり、椀物はフグのしんじょ、鍋物は博多地鶏の入った飛鳥風鍋、焼き魚はサワラ、最後は鰻が一切れ乗ったご飯。
お料理はなんとなく「薄味で上品な……」というようなものを想像していたけど、お味がしっかりとしていて奥行きが感じられる一段上の味付けというか、とにかく満たされた気持ちで、仲居さんが布団を敷いてくれる様子を見ながら食事の余韻に浸りました。
翌朝、起きてすぐにお風呂。朝食も部屋に運んでくださった。
チェックアウトまでまだ時間がある……もう一度お風呂へ、4度目だ。
湯上りにあらためて食後のコーヒーをいただく。
とても残念なことがあった宿ですが、これだけの御宿ですから存続を望むお客さんも多いと思う。
それに接客されていて思ったが、従業員の方々にも愛されている旅館なのだろう。
また来たい、後世に残ってもらいたい、そんなことを思いながら宿を発ちました。
以上、五島列島には行きそびれたけど、思わぬ拾い物をしたような九州の旅でした。
いいですねぇ、旅。
島原鉄道の黄色い電車に乗られましたか?
黄色い電車が付いた≪洒落の効いた≫
「赤字ボールペン」を通販で買おうか悩んで
結局止めた過去があります(^ω^;) (苦笑)
ところで、地震、大丈夫でしたか?
by あとりえSAKANA (2024-02-26 23:35)
SAKANAさん、どうも。
ああああ、モヤモヤと……
黄色の列車に乗りました。
確かにキップ売り場の横に島原鉄道グッズが並んでいて、何気に見てたんです。そして、男の人がグッズ買いながらそのことを何か言ってたんですよ……ああ、思い出せない。
昨日の地震ですよね?
昼寝していて、わお!結構揺れているぞ!と旅館の方に行ったんですよ。
そしたら事務員さんが「え?今の地震?」って。
もういい、帰る……って部屋に戻りました。こっちはそんな感じでした。
by あおき (2024-02-27 09:33)